生きてるんだから、いつか死ぬ。
この「死」について考えることって、なかなか無いよね。とゆうか、考えたくもない背を向けていることですよね。
でも、向き合わなければない時が必ずある。自分に関わらず、親とか、友達、ペットでも。
普段は向き合わない「死」について、この本が優しく、そっと教えてくれた気がします。
世界からボクが消えたならについて
知ってる人もいるかもしれないけど、この本は「世界から猫が消えたなら」通称”せか猫” の、もうひとつの物語。
キャベツ(猫の名前)の物語です。
そもそも ”せか猫” はLINE小説から始まり、書籍化されたものです。現在(2016年5月)100万部を突破、更に漫画化、映画化をされる大人気の作品となっております!
雑なあらすじ
せか猫とは結構違う部分があって、読んでいても新鮮に感じました。
主人公は猫。
名前はキャベツだ。
キャベツは飼い猫で、ご主人さまがいる。
実は、このご主人さまの脳に悪性の腫瘍がみつかってしまう。しかも末期。余命宣告もされていた。
すると突然”悪魔”と名乗る奴がキャベツと、ご主人さまの前に現れたのだ。容姿はご主人様そっくり。
更には キャベツと話も出来る。
悪魔はヘラヘラしながら、ご主人さまに向かって「明日死ぬよ。」と話しだした。
あとに続けて「この世界からモノを一つ消してほしいんだよね。その代わりにキミの命を一日分だけ延ばしてあげる」
と言い出した。
その取引に応じたご主人さまは、1日1つモノを悪魔に消されます。
電話。映画。時計。と次々に
モノだけがなくなるのではなく、モノ関わった思い出、感情、すべて無かったことになっている。(原作との違い)
そして、「猫を消しても良い?」と悪魔に言われる。
と。ここまで。
ご主人さまが死ねば、キャベツは生きる。
キャベツが死ねば、ご主人さまが生きる。
果たして、キャベツは何を思うか。
そしてご主人さまは何を思うか。
おすすめのシーン
ぼくがグッときたおすすめのシーンです。
是非注目してみてください。
一方通行の思い出は思い出じゃない
ご主人さまには、大親友がいました。
二人とも映画が大好きで、映画で知り合い。映画で仲良くなったと言ってもいいほど。
でも、世界から映画が消された。
もちろんご主人さまの寿命は伸びた。けど、大親友はご主人さまとの想い出を失い。忘れた。
ご主人さまは、親友を失いました。
その時ご主人はこんなことを思います。
一方通行の想い出は、想い出じゃない。 誰かと共有できない想い出には、何の意味もありはしないんだ。
映画限らず、ぼくの場合アルバイトがそう。
今の恋人は学生時代のアルバイトで出会っている。社会人になってからもアルバイトをしてるけど、変な店長と変な仲間達とふざけ合うのが楽しい。ぼくの想い出です。
この出会いや想い出がなくなるなんて、ぼくにとってありえないこと。
死ぬのと消えるのは違う
ご主人さまはモノを消すことによって、大切な人、想い出を失っていきます。
そのことをずっと見ていたキャベツは気がつきました。
死ぬのと消えるのはちがう。 死にたくなかったんじゃない。 ご主人さまは、この世界から消えたくなかったのだ。
つまり今までで友達だった人、家族だった人、恋人だった人の記憶から消えたくなかった。
死んでも悲しんでくれる人がいない。思ってくれる人がいないのは死ぬより嫌です。
何のつながりもない一人きりの人生に、生きる意味なんてないのだ。
本当にその通りだな。と思い知らされました。
最後に
この本で ”死と生” について、なんとなくだけど、学べた気がしました。
▼なんか難しいけど、優しい言葉ですよねー。
自分が存在した世界と存在しなかった世界。そこに生じるほんのわずかなちがい。 そのわずかな差こそが、きっと自分が生きてきた証。 それが生きるってことなのだ。
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